知識ゼロの人が楽譜を読むために必要最低限な知識 パート2(1/2)

(追記)

お久しぶりです。海金(@APSumikane)です

 

長くなってしまったので、記事を二つに分けます。

 

前回の記事の続きです。

 

前回の記事を読まれた方なら、上の楽譜もなんとなく読めそうな気がしませんか?

「そうだな、まずはドレミを書き……ん?」

  

なんやねん、この変な記号

 

 

今日はこの変な記号について書いていきます!

 

(今の段階では覚えてなくていいことは緑の字で書きます)

全音と半音。半音二つ分で全音になるよ!

と、その前に……

あの変な記号を理解するためには、全音〔ぜんおん〕と半音〔はんおん〕について理解しなければいけません。

 

「全」とか「半」とかっていうのは、音と音との距離のこと

つまり、こういうことです。

黒鍵も含めた隣同士の鍵盤が半音、

隣の鍵盤を一個飛ばすと全音です(つまり、半音二つ分で全音

 

「半」よりも「全」の方が距離が遠いということだね

 

「え、分かんない……ドとレは半音なの?」

 

 

まてまてまて。図と文をよく見るのだ。黒鍵を含めた隣、だぜ?

結論から言えば、ドとレは全音です。

 

上の鍵盤画像だと分かりづらいかな?

ちょっと加工しようか

黒鍵から下を削除してみました。

隣が半音! 一個飛ばしが全音! この図なら分かりやすいでしょ?

 

「うわあ……それ鍵盤っていえるの?」

 

分かればいいんだよ、分かれば。

……分かってくれたよね?(´・ω・`)

 

「ナメるな。要は、鍵盤の奥の方を見ればいいんだろ?」

 

そゆこと!

 

デデン! 問題です!

 

「急になに?」

 

本当に分かってくれたか不安だから、確かめさせて(笑)

問題、「ミ」の半音上は何?

 

「信用されてないなあ……まあいいけど。

えっと。まず鍵盤を見なきゃ……

ドレミファ、だから……『ファ』か!」

 

正解!

 

 

「ミ」と「ファ」の間には黒鍵がありませんよね?

したがって、「ミ」と「ファ」は「隣同士」ということになり、「半音」の関係になります

 

「ミ」の半音上は「ファ」、「ファ」の半音下は「ミ」ですね

 

 

「じゃあ、『ミ』の全音上はどこの鍵盤になるの??」

 

ほほう、いい質問だ

 

「ミ」の半音上が「ファ」

その「ファ」の半音上が、「ミ」の全音上、ということになります

黒鍵のところですね。ちなみに、「ミ」の全音上のさらに全音上も黒鍵です

 

 

「なるほど。『半音上』よりも『全音上』の方が音が高くなるわけだね」

 

その通り!

反対に、「半音下」よりも「全音下」の方が音が低くなる、ってわけだ

 

 

「半音」「全音」については、もういいね?

ついでにもう一つ覚えておいて欲しいことがあります。

 

「めんどくせえ」

 

……まあまあそんなこといわずに、付き合ってくださいよ

 

 

 

 

コレ。

上の音も下の音も、どちらも「ド」ですよね?

同じ「ド」なのに、上と下とでは音の高さが違います。

このように、同じ音名なのに高さが違う関係を「オクターブ」と呼びます

 

一番近いオクターブで「1オクターブ」、次に近いオクターブで「2オクターブ」、その次が「3オクターブ」……

……と、離れていくにつれて数字が増えていきます。

 

♯は半音上に、♭は半音下に!

全音・半音とオクターブについて理解したところで、

変な記号(♯と♭)の話に戻しますか。

 

♯〔シャープ〕は「半音上げて」、

♭〔フラット〕は「半音下げて」

という意味です。

 

例えば、

これなら、「『ソ』の半音上」ということになりますので、

ここになります。

 

(ソ - ソ♯)

 

 

それに対し、

これなら、「『ソ』の半音下」ですので、

ここです。

 

(ソ ー ソ♭)

 

 

「ソ♭って、ファ♯と同じなの?」

 

その通りです。

楽譜を書く側は「ソ♭」と「ファ♯」を使い分けますが、演奏する側としては同じことですね

 

他の場所も同様です。

 

このように、なった前だけどのことを、異名同音〔いめいどうおん〕と言います。

 

プロの演奏家は、異名同音でも♭か♯かで音を使い分けているようです。

厳密に言えば、♭か♯かで違った高さの音になるからです

 

 

♯や♭の効力は、その小節が終わるまで

半音変化させる記号、♯と♭

実は、この記号、

一回変えただけで終わり! ……というわけではないんです

 

♯や♭の効力は、その小節(一つの枠)が終わるまで続きます。

 

(今まで小節〔しょうせつ〕のことを「一つの枠」と言っていましたが、これからは「小節」という言葉を使っていきます。

私は難しい言葉を使うのが好きではありません。ですが、覚えておいた方が便利な言葉もあります。「小節」もその一つです。

少しずつ音楽用語も覚えていくと、かっこええよ!)

 

つまり、♯や♭が付けられた音が、その小節内でもう一度出てきたとき、たとえそこに♯や♭がなくても半音上または下の音で演奏することになります

1小節目の矢印のところに♯がいますね。この「レ」は「レ♯」になります。

その直後に、もう一回「レ」が出てきますね? 赤く塗りつぶされた音符です。

この赤い「レ」には何も記号はついていません。ですが、矢印の♯の効果がまだ残っているため、この赤音符も「レ♯」になってしまうのです

 

 

でもね、その効果は限定的なんですよ。

同じ小節内に、まだ「レ」はありますな。オクターブ上の「レ」です。赤い音符ね。

こっちの「レ」にも♯の影響はあるのでしょうか?

 

……答えはNo

こっちは通常の「レ」になります。

つまり、♯や♭の効力はオクターブ違う音には及びません

 

さらにもう一つ。

今度は同じ音の「レ」です(赤音符)。が、1小節またいでいます。

この音は「レ♯」でしょうか?

 

これも、No。

 

♯や♭の効力はその小節が終わるまで、と先ほど言ったとおり、

1小節あとの同音には影響を及ぼしません

 

つまり、

この楽譜で言えば、

1小節目の矢印の♯は、赤い音符のみに効力を及ぼし、青い音符には効力を及ぼさない、ということです。

 

 

ちなみに、♯を全て無視して演奏すると、このようになります。

 

 

簡単にまとめれば、♯や♭の効力は、その小節内の同音」ですね。

 

鼻くそ音符は付点音符。なめらかな線はタイ

ところで、

コイツは何者なんでしょうか

 

「鼻くそ音符やな」

 

その通りです。前回の記事の実践のところで「鼻くそが付いてる音符」として扱いました。

この音符は、正式には付点音符〔ふてんおんぷ〕と呼ばれています。

点が付くと、その音符は1.5倍の長さになります

今回は、八分音符に点が付いていますので、付点八分音符ということになります。

四分音符を1だとすると、八分音符は0.5。

0.5の1.5倍は0.75。

付点八分音符の長さは0.75ということになりますね。

 

では、付点二分音符はどのくらいの長さになりますか?

 

「まず二分音符は四分音符の2倍の長さだから『2』。

これの1.5倍だろ? だから……!」

 

正解。四分音符3つ分と同じ長さですね。

 

 

 

さて、もう一つ気になることがありますね。

このなめらかな線はなんなのでしょうか?

 

これは、前の音符と後ろの音符をつなげる線です。

つまり、

後ろの音符は鳴らさずに前の音符をそのまま伸ばして演奏します

 

つまり、この線が無ければ、

このようになりますが、

 

この線につながれることによって、

このようになります。

 

この線の名前はタイです。

タイで音を伸ばしたい

とか

タイ(国)で背伸びたい

とかって覚えればいいっしょ。

 

「サムい」

 

お黙り!!

 

さてさて、

タイで繋がれた二つの音符が同じ音というところに気がつきましたか?

 

だからこそ、「後ろの音符を鳴らさずにそのまま伸ばす」ということが可能なわけだ。

 

「違う音にタイがつながっていることってあるの?」

 

あるんだな、それが。

 

その場合、スラーと呼ばれ、タイとは区別されます

スラーは、「なめらかに演奏しなさい」という意味になります。タイとは意味が違うから、混同しないでね。

 

「なめらかに、って具体的にどうすりゃいいの?」

 

そりゃまあ、演奏者の判断だよ。

 

あと楽器にもよる。

例えば、歌や管楽器の人だったら、スラーのところは息継ぎするなってことだし、

弦楽器だったら、弓をギコギコさせずに一弓〔ひとゆみ〕で弾けってことだし、

ピアノなら、スラーのところとスラーじゃないところを区別するために、あえてスラーじゃないところを若干途切れさせたりなんかするね。

 

 

「打楽器なら?」

 

気持ちを込めよ!!!

 

(※音を伸ばすことができない打楽器でも、楽譜にスラーが書かれていることがあります。もちろん伸ばせない音を無理やり伸ばして「なめらかに」演奏することはできませんが、なめらかに感じさせるような叩き方はします。また、スラーが書かれているか否かによって演奏は180℃変わってきます。スラーによってどのようなフレーズになるのか、そしてそのフレーズをどのように演奏すべきかというのが変わるからです

 

 

小まとめ

ここまで学んだことを一度まとめておきます。

・半音二つ分で全音になる

同じ音名なのに高さが違う関係を「オクターブ」と呼ぶ

♯は「半音上げて」、♭は「半音下げて」

・♯や♭の効力は、その小節内の同音

点が付くと、その音符は1.5倍の長さになる(付点音符)

タイでつながれた二つの音符は、前の音符をそのまま伸ばして演奏する(後ろの音符を改めて鳴らさない)

・スラーは「なめらかに演奏しなさい」という意味であり、タイとは区別される

・打楽器だってスラーを演奏するんだもん

 

 

ではでは、次の記事にて

 

※次の記事は、かみんぐすーん

 

 

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