何が変なのかと言うと、
- 重増7度は、7度なのに1オクターブ超えてる。
- 減1度は楽譜に書けない。
というところです。実際に使われることはほとんどない音程ですが、考えてみると意外とおもしろいですよ。
音程の章 はじめに. なぜ音程を学ぶのか? 04. 長かったり短かったり、増えたり減ったり、ときには完全だったりする。それが音程だ。 06. 「ミファ」と「シド」は意外に使える&5度と4度のふか~い関係 コラム06. 変な音程・重増7度と減1度←今ここ |
(今分からなくても大丈夫なところは、緑の字で書きます)
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補習
それでは、楽典の補習を始めます
オクターブを超える重増7度
「重減2度は、半音がマイナス一個になってしまう!?」という話を以前しました。
この重減2度を無理やり転回してみましょうか。
転回音程は重増7度です。半音を数えてみますね。
13個。1オクターブ超えてます。1オクターブを超えたら普通は転回できないんですけど、重増7度はできちゃうの。
楽譜に書けない減1度
次は、減1度について。
重減2度や重増7度は楽譜に書けますけど、減1度は書けません。
どんなに頑張っても、減1度にはならないんです。
増8度を転回しようとしても、増1度……やっぱり「増」になっちゃいますね。
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くどい質問
先生、質問です
重増7度や減1度が実際に使われることはほとんどない
重増7度とか減1度って、実際の音楽で出てくるの?
普通は出てこないです。重増7度は、転調するときに出てくるかもしれませんが
転調?
簡単にいえば、転調は曲の途中で調号が変わることです
音階のところで詳しくやりますよ。
まあ、普通は重増7度なんて出てきません。重増や重減が滅多に出てこないんですし
減1度は?
新しい記号でも作らない限り、出てこないです。普通の記号を使っても、減1度は楽譜に書けませんからね。
わざわざ記号を作って、ありえない音程を考える……なんだか、数学みたいだよね。虚数(2乗すると-1になる数)と似てる
数学の話はやめて、マジで
1度は、音の高さをひっくり返すことができない
あのさ……ほんとに作れないの? 減1度
これは?
それは重重重増1度だね
じゅうじゅうじゅう……
重増の次が重重増。その次が重重重増
すごく重そう。ってか、やっぱり1度は「増」になっちゃうんだな。2度は重減にできたのに
重減2度のときは、臨時記号を使って音の高さをひっくり返せたんです。高い音を低い音に、低い音を高い音に
3度もひっくり返せます
重重重減3度ですね。
でも、1度だとひっくり返せないの
へー、ただ音程が離れるだけになるのか
うん、だから減1度は楽譜に書くことができない!
まとめとあとがき
まとめ
重増7度は1オクターブを超えているけど、転回ができる(無理やり)
減1度は楽譜に書けない
あとがき
重増7度も重減2度も減1度も、実際に使われることはほとんどありません
ムダ知識ってやつですか
そうですね♪
ムダ知識のせいで他の知識が出ていっちゃっても、オレのせいじゃない
ムダ知識をバカにしてはいけないよー? ムダ知識がムダになることはないんだから。ムダ知識が必要な知識を強化するの
どういうこと?
ムダ知識のおかげで、必要な知識が忘れにくくなる。たとえば、「重増7度は1オクターブを超えているけど、転回ができる」ってことを知ると、「普通は1オクターブを超えたら転回できない」ってことが忘れにくくなる
んー……そうなのか?
そうなの! 知識と知識は脳みその中でつながってるんだから!
それでは、今日の補習はここまで
私の話を聞いてくれて、ありがとね♪
じゃあね
次の授業は、もうちょっと待ってくださいね
参考文献
芥川也寸志(1971)『音楽の基礎』(岩波新書 青版795)岩波書店.
(重重重増音程、重重重減音程についてp.159を参考)
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