変な音程・重増7度と減1度

何が変なのかと言うと、

  • 重増7度は、7度なのに1オクターブ超えてる。
  • 減1度は楽譜に書けない。

というところです。実際に使われることはほとんどない音程ですが、考えてみると意外とおもしろいですよ。

 

 


 

 

音程の章

はじめに. なぜ音程を学ぶのか?

01. 音楽人なら知っておきたい「音程」の話

02. これは何度!? 指を使った音程の数え方

03. 音程に長いのと短いのがあるって知ってる?

04. 長かったり短かったり、増えたり減ったり、ときには完全だったりする。それが音程だ。

05. 白鍵だけで作る5度の秘密! 減5度が一個だけ!

06. 「ミファ」と「シド」は意外に使える&5度と4度のふか~い関係

07. 短2度は半音、長2度は全音。けれど?

08. 7度・1度・8度。転回音程を使ってまとめてやります

コラム06. 変な音程・重増7度と減1度←今ここ

 

 

(今分からなくても大丈夫なところは、緑の字で書きます)

 

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補習


ハナ先生

それでは、楽典の補習を始めます

 

オクターブを超える重増7度

重減2度は、半音がマイナス一個になってしまう!?」という話を以前しました。

この重減2度を無理やり転回してみましょうか。

転回音程は重増7度です。半音を数えてみますね。

13個。1オクターブえてます。1オクターブを超えたら普通は転回できないんですけど、重増7度はできちゃうの。

 

楽譜に書けない減1度

次は、減1度について。

重減2度や重増7度は楽譜に書けますけど、減1度は書けません

どんなに頑張っても、減1度にはならないんです。

 

増8度を転回しようとしても、増1度……やっぱり「増」になっちゃいますね。

 

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くどい質問

ハテナ君

先生、質問です

重増7度や減1度が実際に使われることはほとんどない

ハテナ君

重増7度とか減1度って、実際の音楽で出てくるの?


ハナ先生

普通は出てこないです。重増7度は、転調てんちょうするときに出てくるかもしれませんが

ハテナ君

転調?


ハナ先生

簡単にいえば、転調は曲の途中で調号が変わることです


ハナ先生

音階のところで詳しくやりますよ。

まあ、普通は重増7度なんて出てきません。重増や重減が滅多に出てこないんですし

ハテナ君

減1度は?


ハナ先生

新しい記号でも作らない限り、出てこないです。普通の記号を使っても、減1度は楽譜に書けませんからね。

わざわざ記号を作って、ありえない音程を考える……なんだか、数学みたいだよね。虚数きょすう(2乗すると-1になる数)と似てる


ハテナ君

数学の話はやめて、マジで

 

1度は、音の高さをひっくり返すことができない

ハテナ君

あのさ……ほんとに作れないの? 減1度


ハテナ君

これは?


ハナ先生

それは重重重じゅうじゅうじゅう増1度だね


ハテナ君

じゅうじゅうじゅう……


ハナ先生

重増の次が重重増。その次が重重重増


ハテナ君

すごくおもそう。ってか、やっぱり1度は「増」になっちゃうんだな。2度は重減にできたのに


ハナ先生

重減2度のときは、臨時記号を使って音の高さをひっくり返せたんです。高い音を低い音に、低い音を高い音に



ハナ先生

3度もひっくり返せます


ハナ先生

重重重減3度ですね。

でも、1度だとひっくり返せないの


ハテナ君

へー、ただ音程が離れるだけになるのか


ハナ先生

うん、だから減1度は楽譜に書くことができない!

まとめとあとがき

まとめ

重増7度は1オクターブを超えているけど、転回ができる(無理やり)

減1度は楽譜に書けない

あとがき


ハナ先生

重増7度も重減2度も減1度も、実際に使われることはほとんどありません


ハテナ君

ムダ知識ってやつですか


ハナ先生

そうですね♪


ハテナ君

ムダ知識のせいで他の知識が出ていっちゃっても、オレのせいじゃない


ハナ先生

ムダ知識をバカにしてはいけないよー? ムダ知識がムダになることはないんだから。ムダ知識が必要な知識を強化するの

ハテナ君

どういうこと?


ハナ先生

ムダ知識のおかげで、必要な知識が忘れにくくなる。たとえば、「重増7度は1オクターブを超えているけど、転回ができる」ってことを知ると、「普通は1オクターブを超えたら転回できない」ってことが忘れにくくなる

ハテナ君

んー……そうなのか?


ハナ先生

そうなの! 知識と知識は脳みその中でつながってるんだから!

 


 


ハナ先生

それでは、今日の補習はここまで

私の話を聞いてくれて、ありがとね♪

じゃあね

 

 


ハナ先生

次の授業は、もうちょっと待ってくださいね

 

 

参考文献

芥川也寸志(1971)『音楽の基礎』(岩波新書 青版795)岩波書店.

(重重重増音程、重重重減音程についてp.159を参考)

 

 

 

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